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蒼の章 第2話

  • 主催
  • 2024年9月20日
  • 読了時間: 2分

更新日:2024年9月21日

 音葉曰く

まだ日が昇りきらない刻に、東の方角から白い流星が降り、この森に落ちたのを見た…と。


音葉「確か、ここら辺だと思うんですけど…」

背の高い木々が生い茂る獣道を、慎重に進んでいく二人。

時々、葉の隙間を縫って射す木漏れ日が眩しい。

先導するディランは拭えない違和感を警戒していた。


 動物の声が一切聞こえない。

あるのは自分らの足音と、吹く風によってざわめく木々の音のみ。

まるでここに棲まう生物全てが出払ったかのような静けさ。

足を進める度に妙な臭いがディランの鼻を掠める。

鉄臭い。もしや、血か…?

挙句に、臭いに便乗して奇妙な魔力を彼は感じていた。


 そのまま歩みを止めずにいれば、視界が明るくなる。

開けた場所に出たのだろうか。


否、広場に出たのではない…

彼らの眼前に広がるのは一方向になぎ倒されたかのように折られた木々だった。


ディラン「君の言う通り、ここに何かが落ちてきたみたいだね…」


火を見るより明らかな墜落痕。

木々が倒れている方向に進めば落ちてきたものの正体を拝めるといったとこだろうか。

彼らは好奇心に動かされ足を進めた。

奇妙な臭いも魔力も先程より強く感じる。

警戒は怠らず……

ふと、先で墜落痕が途絶えていた。

ならばあの先に…


"それ"を見ようと足を早めた途端、ディランの視界を白い何かが一瞬遮る。


ディラン「羽…?」


羽毛にしては大きく白いそれは

ふわりふわりと舞い、視線を誘導するかのごとく"それ"の元へと落ちた。


音葉「せ、先生…あれ……」


音葉が声を震わせた。

そこにあったのは隕石でも動物や竜でもなく



倒れている"人間"だったのだ。

蒼の章 第3話

夜風に当たりながら地図を眺めていると、テントの方から物音がした。ディランは手に持っていたものを折りたたみ、テントの中の様子を見る ディラン 「あぁ、よかった。気分はどうかな」 先日、森の中で倒れていたその人間はようやく目を覚ましたようだ。腹をおさえながら彼は体を起こす...

 
 
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