緋の章緋の章 第13話「氷高殿、こちらの案件はどういたしましょう」 雪彦「保留で。今は限られている資金を兵力増強に回してください。余計なことに使う余裕はありません」 大量の書類や巻物を手にし忙しなく雪彦は歩いている。 次から次へと報告しに来る一人一人に対応しさばきながら、片すべき案件について思...
外伝トランテスタ魔術学校編 白波と晴天の食堂にて打ち寄せられた波が白い吹雪のような水飛沫となって崖にぶつかる。 上昇した潮風のその先に、建造物があった。 トランテスタ魔術学校。 魔術界の最大機関。 その歴史は古く、魔術を教える教育機関ではトップクラスの魔術名門校。...
緋の章緋の章 第12話暁龍領が人喰い竜に襲撃されて一ヶ月。 そして、月緋様が失踪してから一ヶ月が経った。 理由はわからない。 ただ突如、暁龍領が襲撃されて数日も経たないうちに、行方を眩まして、 そのまま。 傍に仕えていた者に尋ねても皆、寝室へと向かったのを最後に姿を見ていない。...
蒼の章蒼の章 第14話イビシム村という、炎の巨竜を信仰する中規模な村が存在する。 ノーベス大陸の最南端にある都市メノリエから、北西に進んだところにある村だ。 付近には大きな活火山が存在しており、その麓には深い緑が生い茂りまるでジャングルのように多種多様な生態環境があった。その広大な自然にこのイビ...
蒼の章蒼の章 第13話書物保管庫の管理人に挨拶をし、ディラン一行は町を発とうとしていた。 音葉「先生、あれは?」 音葉が指を指した先、山へと続く道にアリのように人が連なっている。 誰もが白装束を着ており、何組かは年季の入った独特な神輿を担いでいた。...
蒼の章蒼の章 第12話ページを捲る。 紙の擦れる音。 書物の古い匂いが充満している空間。 紙の劣化を防ぐためか、どの窓もカーテンは締め切られており、ほんのりと薄暗い。 かといって文字を読むのに支障は出ない明るさが魔道具によって保たれている。 図書館と呼べるほどの大きさはない言わば書物庫のような...
外伝斬に処すは平和 第1話暁龍軍 過去に暁龍領を治めし武将-暁龍帳(かつかみとばり)が率いていた軍勢。 豊富な報酬を条件に朧帝国のあらゆる戦場に赴く戦特化の軍という性質は、武将の座を暁龍月緋が継ぎ暁龍軍が朧煌軍になった現在でも残っている。 これは、その暁龍軍が猛威を奮っていた約40年前の話になる。...