9月21日読了時間: 2分緋の章緋の章 第2話夜の闇がせまる夕暮れ時。積み上げられた文書に全て目を通した屋敷の主は目の疲労を和らげるよう、瞼を閉じて天を仰ぐ。 空想上の生物だと語り継がれてきた"人喰い竜"の存在が初めて確認された日から早2週間 トランテスタ魔術学校襲撃事件を皮切りに、人喰い竜は不定期に集団で現れては...
9月21日読了時間: 3分蒼の章蒼の章 第4話ディラン 「今までの記憶が全部ない、かぁ…」 三人で焚き火を囲みながら音葉のとってきた魚を焼き、火が通ったものから各々口へ運ぶ。 ディランが自分と音葉の自己紹介を軽く済ませ、いざ彼の話を聞こうとしたら何も覚えていないと返されてしまった。...
9月21日読了時間: 2分蒼の章蒼の章 第3話夜風に当たりながら地図を眺めていると、テントの方から物音がした。ディランは手に持っていたものを折りたたみ、テントの中の様子を見る ディラン 「あぁ、よかった。気分はどうかな」 先日、森の中で倒れていたその人間はようやく目を覚ましたようだ。腹をおさえながら彼は体を起こす...
9月21日読了時間: 2分緋の章緋の章 第1話紅葉舞う森の中。朱、橙、黄と美しく彩られた景色の中に建つ立派な屋敷。その中庭で慣れない模擬刀を振るう者が一人 牡丹色の混ざる赤髪に生える黒い角、光を秘めた赤い眼のその目元に散らばる鱗を持つ彼女は そう、この世界では竜人と呼ばれる類であった...
9月20日読了時間: 2分蒼の章蒼の章 第2話音葉曰く まだ日が昇りきらない刻に、東の方角から白い流星が降り、この森に落ちたのを見た…と。 音葉「確か、ここら辺だと思うんですけど…」 背の高い木々が生い茂る獣道を、慎重に進んでいく二人。 時々、葉の隙間を縫って射す木漏れ日が眩しい。...
9月20日読了時間: 1分蒼の章蒼の章 第1話朝焼け空に流れる一筋の光が、その少女…音葉の瞳に映りこんだ。 「__せ……起、てください… 先生…!」 はっと目を覚ませば、白み始めた空が目一杯広がっている。 __ここは…? 彼、ディランはそっと体を起こした。 そこには火が消えたばかりであろう、まだ温かさの残る焚火跡が...
9月20日読了時間: 1分本編プロローグとある魔術師がいた 彼は教師だった 世界最高峰と呼ばれる魔術学院 その教員の1人だった 誇れる生徒、信頼し合える同僚と共に平穏で愛おしい日々をすごしていた 大切だった 宝物だった だが、一瞬で全てを奪われた 喰われ、踏みつけられ、引き裂かれ 燃やし尽くされた 爆ぜて弾ける音...
9月17日読了時間: 1分百科事典セベロヴァスト大陸内で頻発する魔術師拉致誘拐事件戦争が盛んなこの大陸では優秀な魔術師が常に求められている。 そのため、身寄りのない魔術師を攫い人身売買を通して戦力として戦場に投下される事例が後を絶たない。 攫われた魔術師が置かれる環境は劣悪なものが多く、非人道的なことが行われる場合もある。...