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蒼の章 第1話





朝焼け空に流れる一筋の光が、その少女…音葉の瞳に映りこんだ。





 




「__せ……起、てください…






先生…!」



 はっと目を覚ませば、白み始めた空が目一杯広がっている。


__ここは…?


 彼、ディランはそっと体を起こした。

そこには火が消えたばかりであろう、まだ温かさの残る焚火跡が燻っている。

周りを見渡せば、数百メートル先に森林があるだけでそれ以外は何の変哲もない平原に囲まれていた。

遠くから聞こえる鳥竜の鳴き声が朝を告げている。

野原を撫でて吹く風が少し肌寒い。


「おはようございます、先生」

テントを片付け終わった少女がディランに声をかける。


__あぁ、そうだった。

野宿をすることになって、火の番をしていたらうっかり寝てしまった…。


ディラン「ごめんね音葉、また任せてしまって…」


そう言われた音葉は眉尻を下げて困ったように微笑む。

音葉「大丈夫ですよ、先生は気にしないでください。」

先生がやることではないですし__

そう彼女は付け足すと一拍置いてから、少し遠慮気味に先に見える森を指さした。

音葉「それより先生、次の目的地に向かう前に……あそこに寄ってみてもいいですか?」





蒼の章 第2話

音葉曰く まだ日が昇りきらない刻に、東の方角から白い流星が降り、この森に落ちたのを見た…と。 音葉「確か、ここら辺だと思うんですけど…」 背の高い木々が生い茂る獣道を、慎重に進んでいく二人。 時々、葉の隙間を縫って射す木漏れ日が眩しい。...

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