11月6日読了時間: 6分緋の章緋の章 第13話「氷高殿、こちらの案件はどういたしましょう」 雪彦「保留で。今は限られている資金を兵力増強に回してください。余計なことに使う余裕はありません」 大量の書類や巻物を手にし忙しなく雪彦は歩いている。 次から次へと報告しに来る一人一人に対応しさばきながら、片すべき案件について思...
9月26日読了時間: 6分緋の章緋の章 第12話暁龍領が人喰い竜に襲撃されて一ヶ月。 そして、月緋様が失踪してから一ヶ月が経った。 理由はわからない。 ただ突如、暁龍領が襲撃されて数日も経たないうちに、行方を眩まして、 そのまま。 傍に仕えていた者に尋ねても皆、寝室へと向かったのを最後に姿を見ていない。...
9月21日読了時間: 12分蒼の章蒼の章 第14話イビシム村という、炎の巨竜を信仰する中規模な村が存在する。 ノーベス大陸の最南端にある都市メノリエから、北西に進んだところにある村だ。 付近には大きな活火山が存在しており、その麓には深い緑が生い茂りまるでジャングルのように多種多様な生態環境があった。その広大な自然にこのイビ...
9月21日読了時間: 3分蒼の章蒼の章 第13話書物保管庫の管理人に挨拶をし、ディラン一行は町を発とうとしていた。 音葉「先生、あれは?」 音葉が指を指した先、山へと続く道にアリのように人が連なっている。 誰もが白装束を着ており、何組かは年季の入った独特な神輿を担いでいた。...
9月21日読了時間: 5分蒼の章蒼の章 第12話ページを捲る。 紙の擦れる音。 書物の古い匂いが充満している空間。 紙の劣化を防ぐためか、どの窓もカーテンは締め切られており、ほんのりと薄暗い。 かといって文字を読むのに支障は出ない明るさが魔道具によって保たれている。 図書館と呼べるほどの大きさはない言わば書物庫のような...
9月21日読了時間: 2分緋の章緋の章 第11話月緋「ふむ…喉が掻っ切られたような跡があるな」 肉が焦げたものと同等の匂いが漂うその部屋は、黒ずんだ躯が幾つも均等に並べられている。 死体安置所にて、月緋は片膝をつき目の前の焼け焦げた遺体を観察していた。 雪彦「主要転送装置を管理していた魔術師二名、監視兵五名が殉職。その遺...
9月21日読了時間: 2分緋の章緋の章 第10話次にアグネスが目を覚ましたときには、事は既に終わっていた。 暁龍領の被害は甚大で、死者数負傷者数も把握できず。 領の上空に消火の跡が燻る。 被害に遭っていない動ける者達はみな救助活動や二次災害を防ぐために駆り出されているという。...
9月21日読了時間: 3分緋の章緋の章 第9話アグネス「こ、来ないで…」 鋭利で暴力的な竜の牙が今まさにアグネスを襲わんとしていた。 だが、その牙が彼女にかかる寸前で一刀両断される竜の首。 転がるそれを横目に刀の血を払い納刀するのは今しがた現れた月緋だった。 月緋「小娘、無事か」 アグネス「つ、きひ…」...
9月21日読了時間: 2分緋の章緋の章 第8話「逃げろぉ!火事だ!!竜も襲撃してきているぞ!!」 屋敷に仕えている者達の怒声が響く。 その声をかき消すように勢いを増す炎の渦。 木造で出来た建造物は瞬く間に炎に食われ、瓦解していく。 桜花「お嬢様ッ!!…ッここを開けてください!!」...
9月21日読了時間: 3分緋の章緋の章 第7話長い城壁の眼前に広がるは緑豊かな草原。 のどかな風がそよそよと吹き抜け、草の穂先を揺らす。 朧帝国最東部、国境最前線 ここはもうまもなく戦場になる …はずだった。 月緋「誤報だったのか?」 敵国が攻めてくると知らせを受けて城壁の上で待ち構えていたが、敵影一つも見当たらない...
9月21日読了時間: 6分蒼の章 蒼の章 第11話砂丘が延々と広がる大地を移動する3つの影。 三人を乗せた馬竜は砂を蹴り上げかながら砂漠を駆けていた。 一面の金色が眩く目を細めながら、二本の手綱を持って先導している音葉。 その縄の先は空の馬竜と、ディランを抱えたアダムが乗る馬竜の二体が引かれている。...
9月21日読了時間: 8分蒼の章 蒼の章 第10話二人とも、大丈夫かい? 大丈夫です…でも何も見えません… 何も見えないが全身砂まみれだというのはわかる 今、明かりをつけようとしてるんだけど……うーん、… 魔術が使えないようだな…先生も音葉も目が慣れるまでその場から動かない方がいい...