9月21日読了時間: 12分蒼の章蒼の章 第14話イビシム村という、炎の巨竜を信仰する中規模な村が存在する。 ノーベス大陸の最南端にある都市メノリエから、北西に進んだところにある村だ。 付近には大きな活火山が存在しており、その麓には深い緑が生い茂りまるでジャングルのように多種多様な生態環境があった。その広大な自然にこのイビ...
9月21日読了時間: 3分蒼の章蒼の章 第13話書物保管庫の管理人に挨拶をし、ディラン一行は町を発とうとしていた。 音葉「先生、あれは?」 音葉が指を指した先、山へと続く道にアリのように人が連なっている。 誰もが白装束を着ており、何組かは年季の入った独特な神輿を担いでいた。...
9月21日読了時間: 5分蒼の章蒼の章 第12話ページを捲る。 紙の擦れる音。 書物の古い匂いが充満している空間。 紙の劣化を防ぐためか、どの窓もカーテンは締め切られており、ほんのりと薄暗い。 かといって文字を読むのに支障は出ない明るさが魔道具によって保たれている。 図書館と呼べるほどの大きさはない言わば書物庫のような...
9月21日読了時間: 6分蒼の章 蒼の章 第11話砂丘が延々と広がる大地を移動する3つの影。 三人を乗せた馬竜は砂を蹴り上げかながら砂漠を駆けていた。 一面の金色が眩く目を細めながら、二本の手綱を持って先導している音葉。 その縄の先は空の馬竜と、ディランを抱えたアダムが乗る馬竜の二体が引かれている。...
9月21日読了時間: 8分蒼の章 蒼の章 第10話二人とも、大丈夫かい? 大丈夫です…でも何も見えません… 何も見えないが全身砂まみれだというのはわかる 今、明かりをつけようとしてるんだけど……うーん、… 魔術が使えないようだな…先生も音葉も目が慣れるまでその場から動かない方がいい...
9月21日読了時間: 3分蒼の章蒼の章 第9話カラカラと乾燥した熱風が肌を撫でる。 うんざりするようなこの暑さの中でもこの地に適応した馬竜はその歩みを止めることなく… 砂漠の中を進む三人の一行。 途中途中で音葉とアダムが着いてきているのを確認しながら先導するディラン。...
9月21日読了時間: 3分蒼の章蒼の章 第8話乾燥した砂漠地帯を馬竜に揺られながら進む三人の姿が、遠くから見える。 汗すらもすぐに蒸発してしまうような乾ききった暑さ。 炎照らす蒼穹の下、日照りが砂面に反射しつい目を細めてしまうほどに一帯が眩しい。 風に煽られた砂が舞い上がり、まるで踊るように空中を舞っていた。...
9月21日読了時間: 6分蒼の章蒼の章 第7話丘陵地帯の中腹に位置する町。 その周りには青々とした草原が広がり、美しい山々が町を取り囲んでいた。 街と街を繋ぐそこは旅人や商人が立ち寄る安息の場所になっているためそれなりに発展しており、公共施設が充実している。 ディランはその一つである郵便局に寄るためにこの町、エイド町...
9月21日読了時間: 7分蒼の章蒼の章 第6話「その歌は…?」 悠々とした草原が広がる場所で一人、ディランがテントを組み立てていると薪集めから帰ってきたアダムに声をかけられた。 優しく吹きつける風が心地好く、つい上機嫌で鼻歌を歌っていたところを見られてしまったようだ… ディラン 「えっ…あ、おかえりなさい…!」...
9月21日読了時間: 4分蒼の章蒼の章 第5話明日出発の準備を済ませ、夜が更ける頃。 音葉は既に就寝しているが、男二人は未だ火を囲んでいた。 ディラン 「ところで、君のことどう呼んだらいいかな。本当に何も思い出せないかい?」 そう問われた男は考え込むように口元に手を当てる。 沈黙、のち…...
9月21日読了時間: 3分蒼の章蒼の章 第4話ディラン 「今までの記憶が全部ない、かぁ…」 三人で焚き火を囲みながら音葉のとってきた魚を焼き、火が通ったものから各々口へ運ぶ。 ディランが自分と音葉の自己紹介を軽く済ませ、いざ彼の話を聞こうとしたら何も覚えていないと返されてしまった。...
9月21日読了時間: 2分蒼の章蒼の章 第3話夜風に当たりながら地図を眺めていると、テントの方から物音がした。ディランは手に持っていたものを折りたたみ、テントの中の様子を見る ディラン 「あぁ、よかった。気分はどうかな」 先日、森の中で倒れていたその人間はようやく目を覚ましたようだ。腹をおさえながら彼は体を起こす...